「大東島」に行ってみた
「大東島」って何?
大東諸島は、2つの有人島、南大東島と北大東島、それに沖大東島などの無人島から成ります。
那覇から東に約350キロ。他に近い島はなく、絶海の孤島の表現が似合う島々です。
移動手段は飛行機と船。人は飛行機で、物資は船で運ばれるのがメインです。飛行機がある分、アクセスは悪くない離島です。
島の大きさや人口、産業などいずれも南大東島のほうが大きいので、北大東島の前に南大東島を書いたり、表現したりすることが多いらしいので、この記事では、2つの島を合わせて「大東島」と表記します。
いったい「大東島」ってどんなところだろう? 僅かな背景知識だけ持って、行ってみました。
飛行機なら楽なのに、わざわざ船で行く
物好きなので、船に乗りたかったという理由で船を選択。前評判はこんな感じ。
- 揺れる
- 船内レストランは無し、インスタントラーメンと飲み物の自販機だけ
- インターネット予約はない
- とにかく揺れる
そんなに大きくない船で、太平洋をひたすら半日進むので揺れるらしい。それはそうですね。
船に乗り込む前に、食料を買い込んで乗船。午後5時出港ですが、早めに乗り込むよう指示されます。
Wikipediaによれば、旅客定員は55名らしいですが、乗ったときの乗客数は7人。船は物資運搬用、人は主に飛行機で運ばれるとは聞いていましたが、これほどとは…
船酔い…?
出港した後は順調な航海。2段ベッドの寝台の下段が全員に割り振られているので、寝るのには不自由ないです。
設備も衛星放送が映るテレビがあるので、案外退屈しないのですが、だんだん起きているのが億劫に。体調不良とまでは言い切れないですが、横になっていたほうが楽だという感覚に。
同行者と後で話すと、同じような感じだったらしく、一種の船酔いだったのでしょう。色んな船に乗ってきましたけど初めての経験でした。
北大東島に上陸
まずは北大東島に上陸。夜行なので、朝9時前。訪れた時期は冬と春の境目の時期だったので、東京の初夏を思わせるような気候が心地よく、東京から南に約1,300キロ離れた離島にいることを実感させられます。
北大東島にしろ、南大東島にしろ、サンゴ礁が隆起した断崖絶壁の島で、整った港がなく接岸できません。なので、人も荷物もクレーンで降ろされます。人間は柵のついたゴンドラに乗って下船。あとで古い資料を漁ったら、昔はカゴに柵がなかったらしい、怖い。
この北大東島は、周囲が20キロ弱のコンパクトな島。島の中心に役場とか農協とかがあって、主要産業は農業、特にさとうきび。
ここには日中しかいるつもりがなかったので、歩いて一周することに。自転車とかバイクとかを借りる選択肢もあったけど、島が大きくなくて時間を持て余しそうなのであるきに。
だいたい20キロくらい歩きながら、北大東島の自然を満喫できました。きれいな海や島の風景は言うまでもなく。
なお、島に食堂はどうやら1軒しかなく、お昼ごはん食べなくても景色でお腹いっぱいだった(船酔いも残っていた)ので食べなかったです。もしまた行くことがあれば食べたい。
南大東島へ
北大東島から南大東島へは約10キロ。船で行くつもりだったのですが、時化で欠航してしまったので、飛行機で。日本で1番短い定期航路らしい。飛行時間は5分強。学生特権(JALスカイメイト)でも5,000円強かかった…
南大東島では宿(島唯一のホテル「よしざと」)にお迎えをお願いしていたので、空港から送迎車で移動。
この日は個人経営のレンタルバイクを借りて、海を見に行って、宿のご飯を食べて終わり。朝から活動していたのでぐっすり。
翌朝も天気がいいうちに海沿いをレンタルバイクで回りました。
サンゴ礁の島なので、石灰岩が溶けた鍾乳洞がいくつかあり、その中でも最も大規模な「星野洞」へ。星野さんの洞窟だから「星野洞」らしい。
自分たちの貸切だったので、大した期待をしていなかったのですが、ダイナミックな造形と、ライトアップに感激。天然の宮殿を思わせるような石柱が特に印象的でした。
お昼は食堂で島の人と一緒のランチを食べて、民俗資料などを見学し、最後に海の景色を焼き付けながら空港へ。
沖縄本島・那覇までのフライトは約1時間強。行きは船で15時間かけたのに。名残惜しく、名産・大東寿司を味わっていたらあっという間。心が豊かになる「大東島」の旅でした。